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2022.04.10

「幸福駅」からウェルビーイングを広げたい

前の記事にあるイベント内で、北海道にお住まいの三浦潤一さんよりこんな質問をいただきました。
   
「妻が北海道の幸福駅の構内でカフェをやっています。幸せのステーションからから幸せを広げていきたいので、素敵なアイデアがほしいです」
 
幸福駅は1956年に旧国鉄広尾線に開設され、1987年に広尾線廃線に伴い廃止となった駅です。しかし、愛国駅から幸福駅行きの切符で有名となり、現在も「恋人の聖地」として観光スポットになっています。
こちらで奥様がカフェをやられているという方からのご質問に対して、こんなやりとりがありました。
 
隆司:幸福駅は最近も行ったし、電車が通ってる時も行きましたね。
アイデアボードを作って、みんなにアイデアをもらえばいいんじゃないですか?今は集合知の時代ですよね。激変のVUCAの時代で先が読めないと言われているので、誰か経験豊富な年上の人にアイデアをもらうよりも、みんなのアイデアを聞いて、やってみてだめだったら引っ込めるというようなやり方が適しているんです、今は。
 
マドカ:そこに行くと自分が幸せになれるような、そんなことがあるといいと思いますね。例えば心がホッとしたとかうれしかったエピソードをお客さんに書いてもらって貼ってもらうとか。そうすると幸せになった人のエピソードを読んだ人が幸せになって、また自分も書いていく、そんな風にしたらいいんじゃないでしょうか。
 
隆司:今日の文脈でいうと「やりがい」と「つながり」があると人は幸せになるので、普通のカフェだとつながらないでお茶飲んで帰るじゃないですか。だからこの仕組みはよくて、お客さん同士あるいは幸福駅のことを知ってる町の人と観光客、とかいろんな人がふれあうような仕掛け、一つは感想ノートとかアイデアボードでもいいけど何がいいでしょうね。日本人真面目だからそんなに話しかけたりしないけど。
 
マドカ:アメリカなんかで、自分の自信のベースになっているのは「自分はこんなことで人の役に立てます」って言えることなんですね。これはお子さんでも言えるんですよ。だからカフェに来てくださった方が、私はこれができます、ボランティアできますよって自分の得意なことを書いていくとか。これはつながりますよね。
 
隆司:あとは本棚を作って僕の本を置くっていうのは?(笑)あ、じゃあ寄付しよう!
ということで、幸福駅のカフェに二人から著書が贈られることとなりました。
後日、三浦さんご夫妻から届いたメッセージをご紹介します。

(三浦潤一さんより)
 私は、36歳の時に発達障害と診断を受けたADHDの当事者で産業カウンセラーの三浦潤一と申します。新型コロナが広がる以前は北海道の観光地である幸福駅での事業に携わっておりましたが、2020年より公立高校で障害者雇用として勤めております。
 これまでは、地域で市民レベルの環境活動や発達障害のピアサポート(自助活動)などを行ってきた経緯もあり、SDGsに関心を向けていくなかで、目標の3番目の「Good Health and Well-Being」と「Decent Work and Economic Growth」が自分事のテーマとして重なりました。そのなかでも特に注目したことがWell-Beingでした。休職中に受けたカウンセリングのなかでACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)という行動理論をベースとした認知行動療法を教わったことや幸福駅で行っている事業が、まさにWell-beingに深く関係してくると感じており、この度のトークセッションの参加に至りました。
 Well-beingの研究の最先端にいる前野先生とマドカさんのお話はとても穏やかで温かく、時には笑いがあり、メモを取る間ももったいほど話に聞き入ってしまいました。(実際にほとんどメモが残っていませんでした・・。)
 お話の中で特に印象深かったことは、幸せの4つの因子や実際にWell-beingを実践している企業のお話や夫婦間のWell-being、そして今が時代の転換期に来ているということでした。コロナ禍や戦争が起こっている大変な状況だからこそ、Well-beingの必要性を大きく感じました。
 また、開催の時間のおよそ半分が、質問を通じてお二人と参加者との交流の時間ということで、参加されたみなさんからは多くの質問が出されていました。その一つ一つの質問に対してじっくりとお応え頂いて、大変濃密な時間を過ごすことができたと感じています。そのなかで二つも自分の質問に応じて頂き、さらにビッグなプレゼントも頂きまして、まさに「やってみよう因子」の成果が表れた瞬間で、とっても大きな幸せを感じ感謝の気持ちで一杯です。
トークセッションに参加して過ごした時間を機に、幸福駅からWell-beingを広げて行くことや自身のセルフケアとしてWell-beingに過ごすなど、幸せの4つの因子をフル動員して取り組んで行きたいと考えております。
*****
(三浦なおみさんより)
夫とともにトークセッションを拝聴しておりました。[4つの因子]について、「これは学びたい!」と思っておりましたので、貴重な機会に参加でき、とても嬉しく思います。
夫はいまから10年前に発達障がいであることがわかりましたが、それまでの日々は毎日格闘の連続でありました。
ですが、それがあっての現在なのだなぁとおもうことが沢山あります。
大なり小なり、いろんな形の色の表情の「幸せ」というものがあり、そこに気付けるかどうかということも大切ですが、引き算していくことで幸せに繋がることもあるのだなぁと感じております。
幸福駅にある小さなカフェには、悩みを抱えて御来店されるかたもおられるので、このような私でも何かお役にたてることかあれば、そして、幸福駅にきたらこんな人がいるんだ!ということを心の片隅にでもおいてもらえるよう、これからもwell-beingについて学び、皆様の幸せのきっかけ作りをしていきたいとおもいます。本当にありがとうございます。

まさに、「こういうことをやってみたい」と発信してみたことで、新しい展開につながったのだと思いました。
何かいい出来事があったから幸せなのではなく、今この瞬間にリラックスをして「ありたい自分」をイメージし、「ありのまま」「やってみよう」「なんとかなる」「ありがとう」を日々意識して過ごすことが大切ですね。
*********後日、三浦さんよりカフェ内に「幸せ文庫」を設置しました!とご連絡いただきました。
幸福駅からますますウェルビーイングが広がっていくことを楽しみにしています。
三浦潤一さん、なおみさん、どうもありがとうございました!
🍀カフェ幸福村
〒089-1246北海道帯広市幸福町幸福駅敷地内
取材・文/小宮沢奈代

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